「よく話す人は長生き」はどこまで本当? 社会的つながりの研究を診察室から読み直す
148研究の数字、孤独と孤立の違い、そして『人と会いましょう』の先にある診療
外来で『この方は一人暮らしです』と聞くことがあります。その一言は大切ですが、それだけで危険と決めることも、反対に本人が大丈夫と言うから問題なしとすることもできません。誰と暮らしているか、会う人が何人いるか、寂しさがあるか、困ったときに支援が届くかは、それぞれ違う情報なので、『よく話す人は長生きする』という研究の見出しを診察室に持ち込むなら、まずこの違いから考えたいと思います。
148研究がまとめたもの
中心に置いたのは、Holt-Lunstadらが2010年に公表したメタ解析です。148研究、計30万8849人を統合し、社会的な関係の指標と全死亡との関連を調べています。参加者の平均年齢は63.9歳、平均追跡期間は7.5年でした。
30万人を超える規模ですが、一つの巨大な研究を同じ方法で行った結果ではありません。地域住民を追った研究も、外来患者や入院患者を追った研究もあり、追跡期間は3か月から58年まで広がっていました。
研究の51%は北米、37%は欧州で、アジアは11%でした。平均年齢や背景疾患もそろっていないため、日本の高齢者一人ひとりに、そのまま当てはめられる数字ではありません。
それでも、多くの集団で社会的な関係と死亡が繰り返し結びついていた。その信号を見つけたことに、この研究の価値があります。私が気になるのは信号の強さだけでなく、148研究が『つながり』として何を測っていたかです。
1.50の内側
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