疲労を正しく理解する!
疲労は、軽視されがちな症状ですが、生活習慣から深刻な病気まで原因はさまざまです。本ニュースレターでは、初学者にも分かりやすく、疲労の基礎知識やセルフケアの方法、受診の目安などを徹底解説します。
総合診療医DIO
2025.04.11
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はじめに
疲労とは「倦怠感」や「エネルギーの不足」を感じる状態のことを指します。現代社会では、多忙な仕事や家事・育児、夜型の生活、睡眠不足などが重なり、慢性的に疲れを感じる方が少なくありません。しかし、疲労が長引くと、日常生活に支障をきたすだけでなく、背後に潜む病気を見逃す可能性もあります(1)。本記事では、疲労・倦怠感を数多く診療している総合診療医のDIOが疲労の原因や対処方法、医療機関を受診するタイミングなどを詳しく解説していきます。

1. 疲労の定義と背景
1-1. 疲労の一般的な定義
疲労は、「身体的・精神的エネルギーの欠乏や、活動能力の低下として主観的に感じる症状」と定義されます(2)。単に「だるい」「眠い」といった感覚だけでなく、「集中力の低下」「モチベーションの喪失」など、心身のさまざまな不調が伴うことも珍しくありません。
1-2. なぜ疲労が問題となるのか
疲労は生活習慣やストレスなどの軽微な原因による場合もありますが、心不全や甲状腺機能の異常など重大な病気のサインであることもあります(3)。また、こうした重大な病気が否定されたとしても、慢性疲労が持続すると、仕事や家事、学業など日常の活動に大きな支障を来すことがあります。