花粉症シーズン到来―最新の治療・生活対策とは?
はじめに:花粉症シーズンの到来と今年の特徴
毎年2月下旬から3月にかけては、スギ花粉やヒノキ花粉の飛散がピークを迎え、多くの方がくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、さまざまな症状に悩まされます。実はDIOも長年花粉症に悩まされてきていて、春先にはマスクや点鼻薬・点眼薬が手放せません。近年は特に都市部での飛散量が増加傾向にあり、SNSでも花粉症の話題が盛り上がる時期でもあります。

今年も花粉が飛散し始める時期がやってきましたΩ\ζ°)チーン
☑花粉症の治療は「花粉が本格的に飛散する前」から行うが吉!!
☑ 少しでも症状が軽いうちに治療を始めると悪化せずコントロールしやすくなります!
はやめの治療を心がけましょう!!
そして2024年3月、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会より「鼻アレルギー診療ガイドライン(改訂第10版)」が公表されました(1)。このガイドラインの改訂では、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の分類がシンプルになっただけでなく、より具体的な治療選択やセルフケアの重要性が強調されています。本ニュースレターでは、改訂ガイドラインのポイントを含めた最新の治療薬、スプレーや点眼薬などの情報、花粉症を悪化させない生活習慣、そして花粉症とコロナの対策の違い、さらにお子さんの花粉症に注意すべきポイントなどを総合的にご紹介します。(実は、こちらのアレルギー診療ガイドライン自体が有料でして、申し訳ありませんがこの度も有料記事とさせてください。その分最新の対策について分かりやすく盛り込みました。先日のコスタイベの記事も見られるようになりますので、何卒よろしくお願いいたします。)
1.2024年版「鼻アレルギー診療ガイドライン」のポイント
1-1.分類の整理と「局所アレルギー性鼻炎(LAR)」の追加
改訂ガイドラインにおいてまず注目すべきは、鼻炎の分類が「感染性鼻炎」「アレルギー性鼻炎」「非アレルギー性鼻炎」の3つに整理された点です。これまで複雑だった分類が大きく簡略化され、さらにアレルギー性鼻炎は「通年性鼻炎」と「季節性鼻炎(花粉症)」に分けられます(1)。
ここで新たに注目されるのが「LAR(局所アレルギー性鼻炎)」という概念です。血液検査では陰性にもかかわらず、鼻粘膜でアレルギー反応を起こしているケースがあることが知られています。「検査では花粉症じゃないと言われたのに、花粉が飛ぶ時期に症状が出る」という患者さんを時々お見かけします。こうした方がいる場合、血液検査の結果だけで『花粉症ではない』と判断されることなく、必要に応じて耳鼻咽喉科専門医のもとでより詳細な検査を受けることでLARかどうかを確認でき、適切な治療に繋がる可能性があります。