「錠剤を砕く」行為の危険性と正しい服薬法―自己判断せずに医師や薬剤師に相談を!
はじめまして。総合診療医・家庭医療専門医のDIOです。今回は、2025年2月10日付のYahooニュースに掲載された「錠剤を砕いて粉にする『便利グッズ』が一部で話題になったが、実際に砕いてはいけない薬もある」というトピックについて、総合診療医の視点から詳しく解説していきます。
本記事では、①錠剤の形状や加工の意味、②砕いてはいけない薬が存在する理由、③服薬をラクにする代替方法、④家庭医療の現場での経験談、について、それぞれエビデンスや参考文献などを交えてお伝えします。医療・健康に携わる方だけでなく、服薬で悩んでいる患者さんやご家族の皆さんにも分かりやすい内容を心がけました。ぜひ、最後までお読みください。

薬の効果がなくなるならまだしも、吸収が強くなりすぎて危ないとか普通にあるから…😱
めっちゃ怖いよ。ちゃんと確認してね…
「薬を砕いて粉にしたい!」便利グッズはあるが... 厚労省は注意喚起「医師や薬剤師に相談を」(J-CASTニュース)
news.yahoo.co.jp/articles/14b56… 「薬を砕いて粉にしたい!」便利グッズはあるが... 厚労省は注意喚起「医師や薬剤師に相談を」(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース 錠剤の薬を飲みやすくするため砕いて粉にする「便利グッズ」について、そうしてはいけない薬もあるのではないかと、薬剤師らか news.yahoo.co.jp
1. はじめに:錠剤を砕く「便利グッズ」の登場と注意喚起の背景
Yahooニュースによると、錠剤の薬を砕いて粉にする「便利グッズ」が話題になり、X(旧Twitter)の薬剤師の方々から「砕いてはいけない薬もある」と注意喚起の投稿が相次いでいました。このグッズの製造メーカーも、パッケージに「医師や薬剤師に確認して」と明記しており、「すべての薬が砕ける」というわけではないことを示しています。
この記事では厚生労働省も見解を示していますが、具体的には、
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胃で溶けずに腸で溶ける(腸溶性製剤)
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体内でゆっくり溶かして徐放効果を得る(徐放性製剤)
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苦味を抑えるためにコーティングしている薬
などは砕くと吸収スピードが変化し、想定外の副作用が出る恐れがある、ということです。実際に日本医療機能評価機構の報告でも、錠剤を砕いて飲んだがために血圧低下や意識レベルの低下などの重い副作用が出たケースが報告されています。
飲みにくい錠剤を小さくしたり、粉にすること自体は悪いことではありません。しかし、「どの薬でも砕いてよい」というわけではないのです。特に処方薬の場合は、医師・薬剤師が安全性を確認しながら「処方・調剤」を行っています。患者さん自身の判断で薬の形状を変えてしまうと、本来の効果を得られないばかりか、重篤な副作用を招くリスクがあります。
2. そもそも錠剤はなぜ「形」があるのか?
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- 3. なぜ錠剤を砕いてはいけない場合があるのか?
- 4. どうしても飲み込みづらいときの代替策
- 5. 実際にあった事例:砕いて飲んだ結果起きた問題
- 6. DIOの現場経験談
- 7. まとめ:自己判断せず必ず専門家へ相談を
- 参考文献
- 8. 最後に:
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