寒い季節だからこそ気をつけたい! 子どもとのバスタイムで起こりうる事故を防ぐポイント
寒い季節になると、温かいお風呂に入ってゆっくりと体を温める時間を楽しみにしているご家庭も多いのではないでしょうか。特に小さなお子さんがいるご家庭では、一緒に入浴することでスキンシップを深められるかけがえのない時間にもなります。しかし、浴室は水や湯を扱う場所ゆえに、思わぬ事故やケガが起こりやすいという面があります。実際に、「保護者が洗髪中に子どもが溺れてしまう」「浴槽のふたから転落して頭を打つ」「熱い湯によりやけどを負う」といった事例は少なくありません(1)。本ニュースレターでは、お風呂場で起こりうる事故を具体的に取り上げ、それを未然に防ぐための対策を初心者にもわかりやすく解説していきます。さらに、実際の医療現場の視点や参考となる文献も交えながら、一緒に学んでいきましょう。

■なぜ冬場のバスタイムが危険なのか
冬は気温が低いため、お湯の温度設定を高めにしているご家庭が多くなりがちです。お湯の温度を高めに設定すること自体は悪いわけではありませんが、小さな子どもにとってはやけどのリスクが上昇します。さらに、入浴時間が長くなることで、つい気を緩めてしまう時間も多くなります。
また、冬は室温と浴室の温度差が激しくなる場合があります。たとえば、子どもが寒い脱衣所から急いで浴槽に入ろうとして転倒してしまったり、大人がドアをしっかり閉め切ってしまい浴室内に蒸気がこもって視界が悪くなって事故につながったり、といったこともありえます。ほんの些細な油断が、大きなケガや命にかかわる危険を招く可能性があるのです(2)。
なお、大人の入浴でも注意が必要です(以下がポイント)

1)冬場は脱衣室と浴室を暖かくしておく。
2)風呂の温度は38~40度と低めに設定。熱い湯(42~43度)は血圧が高くなり危険です。
3)入浴時間は短めに。
4)入浴前後にコップ一杯の水分を補給する。